本質を見る力について
人は何か問題が起きたときに、色々な解決策を考えます。
でも、問題の『本質』が何かに気が付かないと、真の解決にはなりません。
ヘルニアの治療から学ぶ「本質へのアプローチ」
去年から腰の痛みがひどくなり、今年の初めから左足が痺れて歩くのにも困難な状態になりました。
整形外科に行き、MRIを取り、結果は腰椎ヘルニア、しかも結構ひどい状態。
先生からは、「手術して直さないとダメなレベル」と診断されました。
とは言え、手術して余計にひどくなった話も聞くし、なるべく手術はしたくない!と思い、色々な方に話をしていたところ、あるスポーツトレーナーの方に出会いました。
私の歩く姿を見て、腰が痛いのは右膝が問題であるとの診断。
この右膝問題が長年の姿勢の偏りを生み、それが腰への負担となってしびれに繋がっていたのです。
そこからは、右膝の筋肉をほぐし、体全体を整える治療を選びました。
その結果、腰の痛みも足のしびれも大幅に改善し、手術をすることが回避できました。
あのまま右膝をそのままにして腰の手術をしていたら、一時的に腰の痛みは無くなったでしょうが、きっと再発していたと思います。
「目の前の問題だけでなく、背景に隠れた本質の原因に向き合うこと」の大切さを強く感じました。
本質を理解することで、解決の方法もまた明確になりました。
本質を考えるために必要な「結果」の設定
ヘルニアの治療の例に挙げると、「しびれをなくす」という短期的な目標と、「再発しない体を作る」という長期的な目標があります。
短期的な結果を求めるなら手術が選択肢となりますが、
長期的な視点なら、原因に目を向け全体を改善する必要があった
という事になります。
この考え方は、相続問題にも当てはまります。
相続に関しても、以下のような「結果」の違いがアプローチを変える重要な検討となります。
• 短期的な結果を重視する場合:迅速な割り当てや手続きの完了。
• 長期的な結果を重視する場合:家族関係の修復や再発しない仕組み作り。
どちらを優先するか明確にするため、本質的な解決への始まりが見えてきます。
相続コンサルティングにおける「本質へのアプローチ」
(1) 表面的な問題だけはない
相続の問題は、「遺産分割」や「財産評価」などの表面的なトラブルとして現れますが、実際にはその向こうに様々な課題が隠れています。
相続人である子供の環境の違い、親への思いなど、目に見えない要素が大切であったりします。
相続コンサルタントの役割は、このような背景にある「原因」を可視化し減らすことです。ただ単に表面上の割り当てや調整を行うだけでは、トラブルが発生する可能性があります。
(2) 解決策のロードマップを描く
「本質」を考えるためには、相続人それぞれの思いや不安を丁寧に聞き取り、解決策の全体像を描く必要があります。
短期的に考えるのではなく、長期的な安心を優先するために、家族間の対話や、お互いの想いについての多くの会話が必要です。
相続コンサルタントは家族会議の場に寄り添い、話し合いが進むことをしっかりと支援する事も大切な役割となります。
(3) お客様の目的に寄り添う
相続コンサルタントとして重要なのは、「お客様がどのような結果を求めているのか」をしっかりと理解することです。
法的に正しいとか税金が安くなるだけでなく、感情的な納得感も得られる結果を目指すために、何を優先するか?という目的を明確にして支援を進めていきます。
本質を重視することで見える「真の安心」
ヘルニアの痺れをなくしたいと単純に手術を選択していたら、
原因が解決されず再発していた可能性が高いように、
相続問題でも、表面的な調整だけでは根本的な解決には至りません。
本質を大事にして、話し合いをすることで家族全員が安心した相続が実現します。
相続コンサルタントの役割は、お客様の心配事や不安の根本原因を明確にし、その原因に応じた解決策を策定、実行を支援する事です。
この話し合いの過程こそが、真の安心を生み出す鍵だと私は考えます。
本質を見る力が真の解決を導く
「本質へのアプローチ」とは、目に見える問題に対して後ろに隠れている原因を見極め、それに対して最適なアプローチを選ぶことです。
相続コンサルティングにおいても、どのような結果を求めるか明確にし、その結果に応じた解決策を描くことが成功の鍵となります。
私たち相続コンサルタントは、家族の未来を見据えた長期的な安心を実現するために、問題の本質に向き合い、お客様とともに進んでいきます。この考え方が、相続という課題に対して最も価値ある解決方法だと信じています。